返戻率って?学資保険や生命保険で重要な返戻率の取り扱い方

生命保険の返戻率って?知っていると生命保険のイメージが変わる
生命保険に加入するなら是非知っておきたいのが返戻率についてです。読み方はふるさと納税でお馴染みの返礼品と一緒ですが、いったいどういったものなのでしょうか?返戻率とは何を意味するのか、どんな時に出てくるものなのか、注意しておくべき点は何なのかをいくつかの項目に分けて解説します。

◆生命保険で耳にする返戻率とは?

(1-1) 生命保険は掛け金が戻ってくるタイプのものがある

皆さんは生命保険についてどんなイメージをお持ちでしょうか。多くの場合、毎月の保険料は払いっぱなしの掛け捨てで、満期を迎えて保険の契約期間が終了・もしくは途中で解約したとしても、手元に一銭もお金が戻らないイメージではないでしょうか。
しかし実は生命保険の種類によっては、生命保険が満期を迎えたタイミングもしくは途中であっても解約したタイミングで今まで支払った保険料が戻ってくる生命保険が存在します。

戻ってくる保険料も支払った一部、もしくは全額という場合もあれば、商品によっては支払った保険料以上の金額が返ってくる場合もあります。
何らかの形で生命保険の保障期間が終了した時に戻ってくるお金の事を解約返戻金と呼び(満期の場合は満期保険金)、その戻ってくるお金が今まで支払った保険料のどのくらいの割合かを示す率を返戻率と言います。

(1-2) 返戻率は【受け取れる保険金÷支払った保険料×100】で計算できる

それでは生命保険における返戻率はどのように計算すればいいのでしょうか?
前述のとおり、指定の保険期間に支払った保険料の総額と、解約時(もしくは満期)に受け取れる解約返戻金を割れば簡単に求める事ができます。

例えば、保険期間全体で100万円の保険料を納めたとします。解約期(もしくは満期)時に受け取れる生命保険料が120万円であれば120万円÷100万円×100=120%となり、この保険は返戻率が120%の生命保険であるという計算式が成り立ちます。

もちろん生命保険会社も預かった保険料を運用してこれら返戻率を上げているので、商品によってはこの返戻率が数%変動するものがほとんどという点も押さえておきましょう。

(1-3) 返戻率が計算できると保険でも貯蓄がイメージできるように

このように生命保険において満期保険金や解約返戻金が支払った保険料よりも上回る事があると知ると、少しだけ生命保険のイメージが変わるのではないでしょうか。
所定の契約期間中は死亡保障や医療保障を手厚く準備できて、生命保険を何らかの形で辞めた時に掛け金が手元にいくらか残ってくれるのであれば、生命保険に入るだけで保障の準備と貯蓄の二つを叶える事ができそうですよね。

しかし、残念ながら全ての生命保険がこの掛け金が戻ってくるタイプに該当するとは限りません。今から返戻率を意識して生命保険の加入を検討するなら、生命保険の種類にどのような違いがあるのかをきちんと理解しておく必要があります。

それでは実際にどんな生命保険が返戻率の高いものになるのかを見ていきましょう。

◆返戻率があるタイプの生命保険とはどんなもの?

世の中には沢山の生命保険会社から沢山の商品が発売されていますが、基本的には各社共通で、生命保険の仕組みは同じ形をとっています。
あとは各保険会社がウリにしている保障内容の違いが大半なので、この基本の仕組みを知っているとそれぞれの商品の構造が分かりやすくなるだけではなく、違いを比較検討しやすくなります。

当然、金融庁から認定を受けている保険会社から適切な説明を受けるように注意してください。

参考→https://www.fsa.go.jp/common/law/guide/ins/02d.html

代表的な生命保険の仕組みは下記の通り3タイプに分かれています。

(2-1) 各社共通!生命保険の基本構造3タイプを知ろう

┗定期保険
「生命保険は掛け金が返ってこない!」と思っている人がイメージするのがこの定期保険になります。生命保険が満期を迎えると保険料の支払いが終わるのと同時に保障もなくなり、毎月支払う保険料の負担もなくなりますが基本的には手元に一銭も戻ってきません。満期保険金といって保険期間が終了する時に受け取れるお金もこのタイプの生命保険にはありません。
いわゆる掛け捨てと呼ばれるタイプの保険で、掛け金が返ってこない…一見するとデメリットの多い保険のように思います。しかし、裏を返すとその時々で必要な保障に対してのみ保険料を支払うものなので、持病を持っていたり過去に大きな病気や手術を経験した人でも入りやすい保険になります。月々の保険料も他のタイプのものよりも少額で済むというのが大きなメリットです。

┗終身保険

よく「終身」と略されて呼ばれている生命保険がこちらのタイプ。保険料を満期まで支払い続けていれば、以後は保険料を支払わなくとも死亡した(もしくは高機能障害状態になった)場合に所定の保険金が支払われます。
医療保障のような他の保障は満期でなくなりますが、保険料の払い込みが終わっても死亡(もしくは高機能障害)保障だけは継続されると聞くと夢のような保険ですよね。しかし当然、死亡保障の原資には毎月の支払った保険料があてがわれるので、先ほどご紹介した定期保険よりも月々の保険料は高くなります。
また、支払った保険料の一定額は定期保険と同じように保障にあてがわれていくので掛け捨てられていきます。最初に決めた死亡保険金は必ず満額支払われますし、通常であれば満期を超えれば解約返戻金が納めた保険料を上回ってきます。

解約返戻金の権利評価については国税庁のHPでこのように書かれております。

相続開始の時において、まだ保険事故が発生していない生命保険契約に関する権利の価額は、相続開始の時においてその契約を解約するとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額によって評価します。
なお、解約返戻金のほかに支払われることとなる前納保険料の金額、剰余金の分配額等がある場合にはこれらの金額を加算し、解約返戻金の額につき源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額がある場合には、その金額を差し引いた金額により生命保険契約に関する権利の価額を評価することとなります。

出典__No.4660 生命保険契約に関する権利の評価ー国税庁

もし満期を迎えるまでに解約してしまった場合は返戻率が下がり解約返戻金が支払った保険料を下回ってしまうので注意が必要です。

┗養老保険

この記事で取り上げている返戻率が一番良くて、一番貯蓄性の高いタイプの保険が養老保険になります。このタイプの保険は終身保険と一緒で満期を迎えた時に保障も終わりますが、満期保険金として死亡保険金と同じ額のお金を受け取る事ができる保険です。保障を充実させながら満期保険金の原資を貯めていく事になるので3つの基本タイプの中では最も保険料が高くなる傾向にあります。
また途中で解約した場合でも、ある一定期間(各保険会社の商品によって細かく取り決められている)を経過していれば支払った保険料の全額~それ以上の返戻率を保証している商品が多いのもこの養老保険の大きな特徴です。

この他にも、定期保険は定期保険でも段階的に支払っていく保険料を減らしながら所定期間の保障だけは確保していくタイプの保険(逓減型)もあれば、満期保険金を一括で受け取るのではなく、複数年にわたってゆっくり受け取る事で利率をさらにアップしてくれるタイプの保険(年金型)もあります。

様々な商品の種類とタイプがある生命保険ですが、返戻率と各保険会社の商品の違いを見極める為には定期保険・終身保険・養老保険の3つのタイプに分類するといいでしょう。保険料の比較や返戻率による利益性の違いを客観的に比較しやすいのでおすすめです。

(2-2) 返戻率は契約前の事前設計書で概算を知ることができる

生命保険で貯蓄を考える際に欠かせない返戻率ですが、保険に加入する前に作成する設計書でどの程度の返戻金があるのか事前に把握する事ができます。
学資保険の保険料は年齢と持病の有無、危険職種についていないか…つまり支払い能力と病気や怪我のリスクをどのくらい抱えているかで保険料が決定します。

なので同じ保険に入っていても大きく保険料が人と変わるという事はよっぼど年を取っているか、重い持病を持っているか、危険職種に就いているか…という事になります。したがって別の保険会社で同じような商品を比較検討している場合、そこまで大きく保険料の違いはないと考えられます。

そしてだいたいの生命保険会社はネット上でその商品の代表的なプランが掲載されています。特に学資保険の返戻率をウリにしている商品であれば何歳から何歳まで毎月いくらを納めれば何年後にはいくらになって満期保険金(解約返戻金)を受け取る事ができますよと試算ができるようになっています。是非とも担当者に事前設計書を作成してもらって具体的にご自身が加入した場合のへ率を計算してみてください。

(2-3) 何を求めて学資保険や生命保険に加入するかで最適な保険は変わる

返戻率の高い生命保険への加入を検討しているなら、あなた自身が生命保険に何を求めているかも一度精査しておくといいでしょう。例えば、教育資金や老後の貯蓄のように使用目的が決まっている=満期保険金もしくは返戻金が必要なタイミングが決まっているのであれば、きちんとそのタイミングにお金が受け取れる保険であるかどうかも重要なポイントになります。

各保険会社の商品によっても満期保険金(解約返戻金)が受け取れる時期や金額が細かく取り決められています。ご自身の要望に応じて金額や時期を細かく設定できるような融通が利く商品と、一律に何年でいくらと受け取れる金額と時期が最初から決まっていて動かせない商品があるため加入前にしっかり把握しておきましょう。

◆返戻率が高いタイプの生命保険で損をしない為に注意すべきポイント

(3-1) 満期保険金(解約返戻金)を受け取った時に税金がかかる場合も

返戻率の高い生命保険を使って保障を準備しながら貯蓄もする大きなメリットの一つに税金の控除があります。例えば、銀行預金でも株の取引でも積み立てたり投資した金額よりも沢山のお金が手元に戻ってくる場合には必ず税金がかかります。

特に学資保険は返戻率が高い商品も多いですから税金にも影響してきます。

学資保険の返戻率については下記のサイトが参考になります。学資保険の中でも人気の高いソニー生命の学資保険について下記のように書かれております。

一般的に貯蓄型の学資保険でも、契約者や子どもの年齢が高くなれば元本割れを起こしますが、ソニー生命の場合は返戻率は100%を超えます。

また、返戻率が108%になることも多々あり、それは支払総額よりも約20万円多い金額を受け取れることを意味するのです。

出典__学資保険ランキング【令和元年最新版】

逆に考えれば返戻率が高いのであれば支払わなければならない税金もまた大きくなるのです。

満期保険金(解約返戻金)を受け取った場合でも同じで、受け取ったお金は一時所得とみなされ所得税が加算されます。ただし、他の金融系の商品と違い生命保険に限り特別控除額の50万円というものが適用されます。

例えば100万円の保険料を支払った時の満期保険金(解約返戻金)が120万円だった場合、差益は20万円です。本来ならこの20万円が課税の対象になりますが、生命保険で発生した差益に限り50万円までは非課税となり、税金を払わずに済むのです。

最近の銀行預金でも50万円増えて手元に返ってくるような利率の良い商品は少なくなっている事から、稀なケースではありますが満期保険金(解約返戻金)を受け取る時に税金がかかるケースがあるという事は忘れないでください。

また、生命保険加入時に一括で保険料を全額前払いするとさらに返戻率はアップします。元々、返戻率の良い商品で原資となる保険料も沢山支払える人ほどこの一時所得の課税対象になってしまいやすいので注意してください。

(3-2) 途中解約は絶対NG!保険料が払い続けられないなら払い済みという選択も

いくら貯蓄性の高い返戻率の良い保険に入っていても、日々の生活の中で毎月の保険料を支払うのがどうしても難しくなる事もあるかと思います。そんな時は是非とも途中で生命保険を解約してしまうのではなく、払い済みという方法をとって生命保険を継続してください。

本来なら所定の保険期間、毎月納めるべき保険料ですが、その支払いをストップして契約期間満了まで生命保険を据え置くのが保険の払い済みです。医療保障のような特約を付けている場合、これらの保障は払い済みにした時点でほぼ消滅してしまいますが、生命保険自体は解約した事にはならないので解約返戻率を上げていく事ができます。

また、一度払い済みにしてしまった生命保険を再開させる事はできません。解約時に解約返戻金が毎月の保険料の総額を下回って元本割れを起こしてしまう場合はきちんと据え置いて元本割れを起こさないタイミングまで返戻率が上がるのを待っておく必要があります。

今すぐ現金が入用だからとって払い済みにしても何のメリットはありません。元本を確保したい、毎月の保険料の支払いをストップしたい時だけの緊急措置になるので、そこだけは頭に置いておいてください。

◆掛け捨てるだけはもったいない!資金計画に応じて生命保険を選ぼう

ただ単に保険料を支払い続けて保障を得るだけではなく、貯蓄も兼ね備えた保険を活用できると非課税枠も利用できるので、今までとはまた違った生命保険との付き合い方ができそうですね。
しかし、前述の通り高い返戻率を求めるほど月々の保険料も高くなってしまうのできちんと毎月の保険料が負担にならない程度に家計と相談した上での加入をおすすめします。

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